2023年4月6日(木)夜、「受難週祈り会」をしました。
木曜日は、受難週の中では、最後の晩餐、聖餐の制定がなされた日です。
ユダヤの暦では一日は日没から始まります。ですから、木曜夜のこれらの出来事は、当時の人々の暦では、金曜日の出来事となります。
最後の晩餐の後、イエスはオリーブ山で神に祈り、心の内を訴えます。そして、弟子たちに話をしているところを逮捕されます。
ユダヤの裁判にかけられた後、翌金曜日の早朝、ローマの裁判にかけられ、そこで十字架につけられることが決まります。
「この男は死刑に当たるようなことは何もしていない。」
イエスの無実は、ローマ総督ピラトも認めるところでしたが…。
そして、イエスは十字架につけられ、午後3時ごろ息を引き取られたのです。
「受難週祈り会」は、ろうそくの明かりの中で進みます。
イエスの受難を記した聖書箇所の朗読と、受難にちなむ賛美歌を交互に織り交ぜながら、主の受難を想います。
ろうそくの明かりは、
最後の晩餐が行われた部屋の灯かりや、
ユダに先導されてイエスを捕らえに来た群衆が手にしていた松明、
イエスを殺すための裁判が行われたユダヤ最高議会の灯かり、
そして、イエスのことを知らないと三度否定したペトロの顔を照らしていたたき火を思い起こさせます。
イエスの受難物語には、実に多くの人々が登場します。
それらの光によって、さまざまな人の横顔が陰影に浮かんだことでしょう。それぞれ、どのような思いでイエスを見ていたのでしょうか。
いつもは明るく和やかな私たちの教会も、この夜の祈り会後は、みな、主の受難を想いながら、言葉少なに教会を後にするのです。